ボルテスVレガシーの感想

ボルテスVレガシー

フィリピンで制作された『ボルテスVレガシーが劇場公開されたので早速観てきました。ちなみにシネコンの大きなスクリーンに対して観客は15人ぐらい。18:30〜という半端な時間帯だったからか、はたまたノスタルジーに浸ろうって人は少ないのか。

さて、私が観たのは字幕版。これがまた珍妙な出来栄えでした。何しろセリフに英語とタガログ語が入り混じっています。例えば軍事基地内は英語で日常会話はタガログかと思いきや、そんな感じでもなく皆混ぜこぜに話していたような。私も簡単な日常英会話なら解るけど、理解不能な言葉に突然変わったかと思えば、また英語に戻る感じです。フィリピン人、どうやって両言語を使い分けたり混ぜているんだろうか。今度訪ねてみようと思います。

合体シーン

合体は予告動画にも使われているけど圧巻ですね。メカメカしい躯体でもってアニメを忠実に再現していて、ついつい笑ってしまいます。

それにしても前々から思っていたのだけど、ボルテスVへの合体後、5号機のコクピットは左足の甲に位置するわけで、それっておっかないよな。何かを左足で蹴飛ばす形になったり、敵の怪獣メカ(ビーストファイター)に左足を踏まれたらペシャンコかもしれないわけで。

ストーリー

映画の内容はというと昔のアニメの1、2話を繋ぎ合わせた感じですね。5人のパイロットはそれぞれ各方面の達人なのだけど、それっぽい描写は次男坊ビッグ・バートの棒術とジェイミーの忍者訓練ぐらい。まあ、尺の都合でしょうがないけど、本作品の導入だけで終わります。というのも確かフィリピンでは全90話のテレビシリーズだったはずなので。原作アニメは全40話なのだけど。フィリピン人、どんだけボルテスV好きなんだよ。

そんはわけで「なぜ、地球人がボアザン星人の地球侵略を見越してボルテスVなるオーバーテクノロジーの戦闘メカを開発できたのか?」といった本作の核心部分はまだ語られません。

また、なぜボルテスVがフィリピンで熱狂的な人気を博したのかも。聞くところではストーリーに当時のマルコス政権下のフィリピン情勢と通じるところがあったのだそうで。作中のボアザン星における階級制度のことかな?

まあ、そこは11月12日(火)から始まるMXテレビのテレビドラマ(再編集版)で明かされるはずです。

入場者プレゼント

入場者プレゼントはボルテスVのペーパークラフトとmenuの初回限定クーポン(6,800円分)でした。

ボルテスVレガシーの入場者プレゼント
ボルテスV、ミシン目とかは入っておらず自力で切り抜く必要があるので組み立てるのは大変そうだ

ボルテスVレガシーが公開に

1ヶ月後の10月18日(金)、『ボルテスV レガシー』が全国の映画館で公開されます。あの懐かしのロボットアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』(1977年)の実写版映画です。いやぁ懐かしい。

ボルテスVレガシーのポスター

これの何が凄いかってフィリピン映画であること(本国では映画ではなくテレビドラマだそうな)。何しろフィリピンにおけるボルテスV人気は凄まじいものがあり、ある程度の年齢のフィリピン人はみんな知っています。

よって今回のキャストもフィリピン人です。健一、大次郎、日吉の剛3兄弟はスティーブ、ロバート、リトルジョンのアームストロング3兄弟ってことになってます。字幕版は英語?それともタガログ語なのかな?

そんなわけで知り合いのフィリピン人にキャストを見てもらったら、有名な俳優揃いだそうです。

というわけで、昔のアニメがYoutubeで順次公開中なので、公開前に見とかないと。

X-MEN ’97

ディズニー+で『X-MEN ’97』の配信が始まりました。1992〜1997まで5シーズン、全76話が放送された旧アニメの続きです。今でこそマーベル=アベンジャーズのイメージが強いけど、私にとってはX-MENこそがマーベル作品の最高傑作なので長らく心待ちにしていました。

今日の時点で3話が公開済みで、毎週1話ずつ追加されていくとのこと。日本語の吹き替えはまだありません。

X-MEN '97のワンシーン
X-MEN ’97のワンシーン

以下、ネタバレを含みます。

旧アニメの最終話では公聴会にてエグゼビア教授が反ミュータント活動家のガイリックに襲われて致命傷を負い、昏睡状態となり死亡。これを受けて過激派ミュータントたちはマグニートーをリーダーに仰いで人間への戦争を決意。だだし、遠宇宙にあるシーアー帝国の先端医療ならエグゼビア教授を蘇生できるので教授の身柄はリランドラ女王に委ね、飛び去る宇宙船をX-MENとマグニートーが見送るシーンで終了します。

対して新シリーズではエグゼビア教授の遺言に従ってマグニートーがX-MENの指導者となり、ミュータントによる人間への宣戦布告はなされなかったものの、人間とミュータントの関係は相変わらず不穏な上、X-MENの面々にも変化が。

その一つがジーンの妊娠。第3話ではネイサンという男児を出産するも、このジーンはクローンだったことが発覚。しかもネイサンは現代医学では不治のウイルスに感染しており、タイムトラベラーのビショップに託されて未来に送られます。私が知る限り、この子はのちにケーブル(旧アニメにも頻繁に登場。デッドプールの映画にも)となり、そのまたクローンがストライフと名乗ることになるはずだけど、このアニメがどう展開するかは分かりません。

また、旧アニメではシニスターに洗脳されたトラウマを引きずっていたモーフが完全復活っぽい活躍ぶりを見せます。普段は変身能力を「例え突っ込み」のように使うけど、先頭においてはブロブに化けて「ゴムゴムの風船」を使ったり、ジェット機が空中分解した際にはアークエンジェルに姿を変えて空を飛ぶ優秀さ。スーパーパワーは模倣できずとも肉体の特性は再現できるようで。モーフの変身シーンは新シリーズの見せ場になりそうです。

他にも第一話から登場する褐色肌の裕福な青年ロベルトはサンスポットですね。映画『X-MEN:フューチャー&パスト』にも出てた太陽エネルギーでパワーアップするというミュータントの。

それとニヤッとしてしまうのがオープニング。旧アニメに忠実なリメイクだけど、ところどころキャラクターが新シリーズ向けに差し代わっています。

旧X-MENアニメのオープニングのワンシーン

旧アニメだとX-MEN側はサイクロップス、ウルヴァリン、ローグ、ガンビット、ストーム、ジュビリーの6名。対してヴィラン側はアバランチ、セイバートゥース、ミスティーク、パイロ、誰?、サンダーバード、ジャガーノートの7名。

X-MEN '97のオープニングのワンシーン

新シリーズではX-MEN側はサイクロップス、ウルヴァリン、ローグ、ガンビット、ストーム、ジーン、ジュビリーの7名。ヴィラン側はアバランチ、セイバートゥース、ミスティーク、ホワイトクイーン、パイロ、ジャガーノートの7名。

そんな感じで、現時点での私の感想は「大満足」です。

ダンジョン飯が完結

人気漫画『ダンジョン飯』の13巻と14巻が発売されてから一週間ほど経ったので感想でも。以下、ネタバレを含みます。

ダンジョン飯14巻の表紙

アマゾンのストアバッヂ

いやあ見事な終わり方でした。12巻までに大風呂敷を広げまくってどう決着をつけるのかと思っていたのだけど。

積み残してた大きな課題は以下。

  • 翼獅子=悪魔を退治する
  • ファリンを生き返らせる
  • 人種間の極端な寿命差をなくす

他にも「イヅツミの呪いを解く」ってのがあったけど、まあ本編には不必要だし、ひょっとしたら外伝として先々描かれることがあるかも。

悪魔退治はいかにもダンジョン飯らしい展開で決着しましたね。ライオスが迷宮の主になって悪魔に脅かされない世界を望むところまでは予想通り。というか誰でも思いつく展開だけど、当然ながらそこでは終わらず。悪魔の口車に乗せられたライオスは魔物への変身願望を果たすことに。

それでも結局はライオスの生き物への理解の深さ、周到さが勝ちを呼び込みました。悪魔はライオスを「欲望を消化できるモンスター」に変えてしまい己の底なしの食欲を食われることに。そう、無敵の悪魔を倒す術も「食べる」だったとは、話の作り方が見事です。

ファリンの蘇生にしても、どうにか悪魔の力を利用して人間に戻すのかと思いきや、例の完食作戦でもって竜部分をみんなで食べて大宴会。ブレないですね。竜を完全には取り除けなかったせいで生き返ってもところどころに羽毛が残ったものの本人は意に介さず気に入るという。

ただし、マルシルの人種間の寿命差をなくす願望は、彼女が他者の死を受け止める心構えで消化。その思いはヤアドにも「昔は死んで全部失うのが怖かったけど」と代弁させています。このへんの演出も上手いよなぁ。

そうそう、ライオスに向けられた「一番の望みは叶わない」という悪魔の呪いは「ファリンの蘇生失敗」ではなく「魔物が寄り付かなくなる」というものでした。なるほどね。

そして本編最後の一コマにも、食へのこだわりを説いた悪食王ライオスが「今日は何を食べようか」とコボルトの子供を抱え上げて周りを慌てさせるというオチが。

そんなわけで全編を通じて名作でした。年明け1月4日からアニメが始まるけど、そちらも見逃せません。後々、NETFLIXとかで実写化してもらえないだろうか。モンスターや料理はその方が見応えがありそうだから。