カメラダイバーの必読書

峯水亮さんの新著『デジカメによる水中撮影テクニック』が発売されたのでさそく買ってみました。226ページで1,890円。

デジタルカメラによる水中撮影テクニック

アマゾンのストアバッヂ

この手の本は昔から何冊も発売されていたけど、どうしても昔の本では内容が古かったりします。

なにしろデジカメが水中でも普通に使われるようになったのは、ここ10年かそこらです。それまではフィルムカメラが主流だったので、一眼レフを除けばオートフォーカス機能すら付いてませんでした。液晶モニタやマクロモードなんてのもなかったし。

もちろん写真の基本の多くは昔も今も不変だけど、一方で近年はデジカメの進歩が目覚ましいため機器に対する人々の共通認識が変化していたり、RAW現像というソフトウエア操作の技術も必要になってきました。

この本では、最新のデジカメや交換レンズ、ハウジング、ライティング機器なども紹介していて、その上で、写真(撮影時の設定データ付き)をふんだんに交えながら今どきのデジカメによる撮り方や撮った写真に対する補正のテクニックまでをも解説してくれています。

目次を抜粋して紹介すると、こんな感じ。

  • 水中カメラとレンズの基礎知識
    • デジタル一眼レフカメラの選び方
    • ミラーレスカメラの選び方
    • コンパクトデジカメの選び方
    • 被写界深度
    • フィッシュアイレンズとフィッシュアイズームレンズ
    • 小さな生き物の高倍率撮影
  • 水中ハウジングの選び方・使い方
    • 自分に合った水中ハウジングの選び方
    • ワイドコンバージョンレンズを使った撮影の基本
    • クローズアップレンズを使った撮影の基本
    • 海から上がった後の水中ハウジングの手入れ
  • 水中撮影のためのカメラの設定と操作
    • ISO感度は状況に応じて設定
    • 水中撮影時のホワイトバランスの設定
    • マクロ撮影のピント合わせ
    • ワイド撮影のピント合わせ
    • 絞りとシャッターの選択
    • 手ブレ・被写体ブレを防ぐ
    • 見た目の海の青色を基準とした露出の決め
    • 黒っぽい背景で撮影するとき
  • 水中ストロボのライティングテクニック
    • ワイド撮影でのストロボライティング
    • マクロ撮影でのストロボライティング
    • 水中ライトによるライティングだけの撮影
  • ワイドレンズ・マクロレンズを使いこなす
    • フィッシュアイレンズで大物を撮る
    • フィッシュアイレンズで魚の群れを撮る
    • 近接できるフィッシュアイレンズを使ったワイドマクロ撮影
    • 真っ白な砂地でストロボを併用するワイド撮影の注意点
    • 水中でのマクロ撮影の基本
    • マクロ撮影におけるレンズの絞りによる描写特性
    • ストロボを使ったマクロ撮影でのシャッタースピード
    • ストロボを使ったマクロ撮影で背景の海の色を青く描写する
    • ストロボを使ったマクロ撮影で背景の海の色を黒く描写する
  • 水中撮影の実践テクニック
    • 被写体への近寄り方
    • 群れへの近寄り方
    • 共生ハゼへの近寄り方
    • イルカを撮る
    • ジンベエザメを撮る
    • ウミガメを撮る
    • カエルアンコウを撮る
    • ウミウシを撮る
  • 撮影後のRAW現像
    • 青かぶりを補正する
    • 嫌な浮遊物やごみを取る
    • もやっとした濁りをなくす

私も数年前を振り返れば格段に写真が上手く撮れるようになったと思うけど、それでもスキル不足は実感します。

理由の一つは海に行けるのが飛び飛びになるので撮影の感覚がなかなか身に付かないのと、座学を修めていないこと。被写体をバランス良く撮ることはできても、より高いクオリティで撮るための知識が足りないわけです。

というわけで、この本はこれから水中写真を始めようという人にはもちろん、少々撮り慣れてきた人、そして私のように中途半端に上達してしまった人の補習にも有益で、写真を撮るダイバー全員(プロを除く)にとっての必読書となる1冊と言えます。読んで実践すれば、きっと写真の腕前が上がり、楽しさも増大すること請け合いです。

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