借金おっかねぇ

私は見たことのないアニメの類いはなるべく見ないようにしています。続きが気になってしまうから。

でも連休なんかがあるとJ:COMをザッピングしてる内に印象的なシーンに当たって、うっかり見入ってしまうのですよね。そして全エピソードを見なければ気が済まなくなると。今年の正月は『夏目友人帳』でした。そしてゴールデンウイークは『賭博黙示録カイジ』。

博多の東急ハンズでは夏目友人帳のニャンコ先生グッズがたくさん売ってました。地元だしな(正確には熊本ですね)

逆境無頼カイジ

なるほどカイジは実写映画化もされるだけあって物語としては面白いのですが、主人公のカイジが借金と博打で芋づる式に身を持ち崩していく様(大勝負ではしっかり勝つのに…)は、おっかなくも感じます。私はギャンブルには関心がないし、あっても現実にはあれほどの恐ろしいことは起こり得ないにせよ、大きな借金が人々の心に少なからずプレッシャーを与えるのも事実なので。

身近なところでは住宅ローン。人生も中盤ともなると同年代の友人知人の中には住宅ローンを持った人がたくさんいたりします。地方出身だったり、都合のいい実家を持たない者にとっては一大テーマなのだし、終の住み処を得んとする、まことに堅実な生き方です。

それに「賃貸住宅の家賃を払い続けるくらいなら手に入れたい」という考え方も解らなくはないです。近年は独身女性が20代、30代の内からマンションを購入するケースが増えていると聞ききますが、それも良いでしょう。

でも、私はこの先「大きなローンを抱えていたら負け」っぽいことになりそうな気がするのですよね。いや「負け」という言いかたは不適切か。「これまで以上に窮屈な生き方を強いられ兼ねない」と言い換えましょう。

例えば最近長期金利が上がりかけました。一応落ち着いたものの、この先の上昇は避けられないとも言われています。そして住宅ローンの9割は変動金利で借りてるそうで。その立場にある人は要警戒ですね。

一般的にインフレ下では借金の負担感は軽くなるものですが、それは経済の成長があってこそ。悲しいかな、この国では既得権を損なう改革は遅々として進まないので、社会保険料や電気代は上がる一方だし、円安で輸入物価も先行して上がり、来春には消費税も増税される予定。歴史上、不況下の増税で経済が良くなった前例はないので、アベノミクス景気とやらも人々の懐が潤う前に腰折れする可能性は十分に考えられます。というか、きっとそうなるのではないかと。

新産業の芽もことごとく摘み、実質破綻状態の東電の競争相手すら未だ現れないこの国が消費増税を急ぐのは自殺行為だ。

他にも今後は製造業界が縮小してサービス業の従事者が増えていきますが、新しい商業ビルが建ってもテナントの顔ぶれは組み合わせが違うだけでどこも似通っています。ってことは企業間の競争も起こりにくいので、グローバル化うんぬんを抜きにしてもユニクロの柳井さんが言う「わずかな年収2千万円と大勢の100万円の層に別れる」という未来にじわじわと近づいていくことでしょう。不本意でも、より低収入の業種、職種への転職を余儀なくされる人が多くなります。

そうして所得が大きく減ろうものならローン返済にも窮することに。急場凌ぎの借り入れが膨らもうものなら、カイジのように命がけのギャンブルに手を染めて奈落の底に…。まあ、その前に破産か。

アメリカのように不動産自体を手放せば残りのローン返済も免除されるシステムなら話はいくぶん単純なのですが、日本は脱落者を容赦なく叩く社会なので…。

もっとも置かれた境遇と考え方は人それぞれ。たとえ不況下でも堅調な企業や職種は多々あり、順調に所得を伸ばせる優秀な人々も少なからずいるわけだから。

でも私には「持たない生き方」の方が性に合っています。どんな経済環境下でも他者との競争に勝ち、十分かつ安定的な所得を得続ける自身なんかないし、いつまでも現役として働いていたいとも思わないので。何十年分もの借金額と所得を減すわけにはいかない重圧、そして繰り上げ返済に躍起になる人生なんてとても耐えられそうにありません。

それに、あと20年も経った頃には人口減によって不動産はまばらに余っていそうだし、そうなっていく過程で資産価値も二極化することを考えれば、私でも手を出せそうな郊外や中古の物件は微妙です。いよいよ沖縄かフィリピンあたりに移住すべく売るか貸すかしようにも、満足に値がつかないなんてことは十分あり得ます。

うん、そういうわけで今後も住宅購入なんかは考えずダイビングに行くことにします。その時々で分相応の生活ができるのが持たない生き方の利点ですよね。

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