2020年の東京オリンピックは消えたな

どうやら2020年のオリンピック種目からレスリングが外されれることが濃厚だそうで。私なんぞは「そんなことしちゃいかん」と思うのですがね。「とっくみあい」は陸上、競泳と並ぶ普遍的かつオリンピックの象徴なんだから。でも、聞くところでは「ロビー活動も含めてオリンピック」なのだそうで…。

オリンピック招致のピンバッジ
オリンピック招致のピンバッジ。最近コナミスポーツで大量に配ってます

さて、その2020年のオリンピック・パラリンピックを東京に招致する件ですが、もう絶望的な状況に追い込まれていると思います。このままでは落選が濃厚です。

もちろん深刻な影を落としたのが女子柔道の暴力・パワハラ問題。あれって当事者の園田監督と徳野コーチ、吉村理事、そして連盟の上村会長が引責辞任した他は、まだ何も改善された様子はないですよね。第三者委員会のメンバーも昨日ようやく決定したところだし。

一部では告発した15選手が名乗り出ていないことを疑問視する向きもありますが、そんなもん当然の話。名前が出れば、嫌がらせや封殺の圧力がかかるのは目に見えているのだから。そうして彼女らに翻すように仕向け、泣き寝入りさせれば責任を問われなかったり、名誉や経済的な恩恵に預かれて何かと都合がいい人も多いのだし。いつぞやの偽装食品やオリンパスの内部告発のときと同じで。

中には陰謀説を唱える人もいます。東京でのオリンピックの開催に反対する勢力が仕組んだことだと。でもそれはお粗末な下衆の勘ぐりというもの。園田監督は暴力・パワハラを問われて身の潔白を主張できなかったのだから。

また、柔道界の不祥事としては、内芝被告の事件もあります。今回の15選手の告発内容の背景として、柔道界においてはパワハラの範疇にも収まらない犯罪行為の横行すら疑われているわけです。内芝だけの問題ではなさそうだぞと。

もっと言うと、日本では柔道の授業における負傷、死亡事故が結構な頻度で発生しています。同じく柔道を授業に採用しているフランスでは死亡事故など皆無だというのに。要するに、いろんなことが立ち後れてたり、ねじ曲がっていて、そのまま放置されているのですよね。

それに桜宮高校における生徒自殺問題の件も心証を悪くしました。柔道やオリンピック選手の世界に限らず、根性論の根強い日本では軍隊風の「ぶん殴って伸ばす」「打たれれば伸びるに違いない」的な恐怖支配による指導が黙認されていた感もあります。そりゃ精神的にもタフな選手にだけは通用するかもしれないけど、むしろ心身に傷を受ける人の方がよほど多いはずです。

私とて、単純に「日本でのオリンピック、間近で見たくないの?」と問われれば反対する理由は無いのですが、こうして明るみに出た諸問題にまともな手を打つことをしないなら、私は東京への招致、開催に賛成できかねます。

ということは覆面調査員が来たら、現時点では私は東京オリンピックに反対と答えることになりますね。今後の進展次第では賛成と答えられる日が来るかもしれませんが。

オリンピック開催地の決定は9月ですが招致国による説明会は7月3日。これが事実上のリミットです。それまでに柔道なり学校教育における自浄能力を示せなければ東京は確実に落とされます。そうしたら前都知事の号令の元、今までせっせと注ぎ込んできた何百億円かの都民税も吹っ飛ぶわけだ。

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