コナミスポーツ消滅

正確には「コナミスポーツのダイビング部門が来年三月末をもってすべて終了」ということらしいです。どの店舗も例外なく。11月1日の発表だったとのこと。

昨日、沖縄から帰ってきて、大浴場を利用すべくその足でコナミスポーツ新百合ヶ丘店に出向いたところ、店長から聞かされました。いや、沖縄滞在中も風の噂程度には伝わってきたのですが、半信半疑だったのですよね。過去にも店舗の移転や再編などは度々行われてきたし…。

帰宅するとその旨の書簡も届いていました。

コナミスポーツ新百合ヶ丘店ダイビングスクール終了のご案内
支店長の名前で出されていますが、全店舗が終了とのこと
コナミスポーツ ダイビングスクール サービス終了に伴う各種ご案内
この通り、何一つ残ることなく消滅します

悲しいです。私はかつてのXAX(エグザス)ダイブカレッジ時代から通算20年ぐらい世話になったので。その間、店舗は二子玉川→多摩センター→新百合ヶ丘店と移り変わり、もちろんスタッフも度々代替わりしたものの、ダイビングサービスは脈々と続いてきました。

私は元来フィットネスの会員ですが、ダイビングのカウンターに顔を出すとスタッフはもちろん誰かしら仲間に会えました。そこでしか会わない人も大勢いたわけです。でも、この先はそれがなくなり、コナミのダイビングサービスを通じた新たな仲間との出会いもありません。

東日本大震災や福島原発周辺の避難民の方々の気持ちが少し解った気がします。外的な要因で長年かけて築かれたコミュニティが崩壊していくという。今までの仲間ともどれだけ音信を保てるか…。

ただ、腑に落ちないのはサービス終了の理由。書面には「当社を取り巻く環境の激化」とあります。店長からは「将来性が見込めないと会社上層部が判断した」と聞かされました。

確かにダイビングの業界は年々縮小傾向にあるかもしれません。でも、ここでやめたら長年同社が担ってきた「ダイバーのすそ野を広げる」という役割、存在意義を自らが否定し、更なる衰退への引き金を引くことにもなります。

しかも製造業とは違い、韓国や中国のダイビングスクールの攻勢に太刀打ちできないなんて話はなく、聞く限りでは不採算事業だったわけでもなさそうです。いやそんな店舗があるなら、また再編してくれればいいわけです。時代に合った分相応なりの規模への縮小なら納得もします。

日本はこの先も高齢化が進むのだし、競技的な要素がなく年齢相応に楽しめ、体を動かすだけでなく自然を相手に趣味や観光も兼ねるダイビングはコナミスポーツの多様性の象徴的な存在だったと思うのですが。

スポーツクラブの客層にしても、決してエクササイズを目的とした人ばかりではありません。これまでもフィットネスの会員がダイバーになり、ダイバーがフィットネス会員として入会する相乗効果がありました。

しかもダイビングは機材販売、講習、国内外旅行と、スポーツクラブ業界にとっては珍しく大型の売り上げが立つ部門だったはずなのに。いまだ人々にお金を払わせる力を保っている事業をそそくさと畳むのは自傷行為みたいなものです。株式投資に例えれば目先の悪材料に躍らされた「狼狽売り」のような。

コナミスポーツの上層部が本当に「ダイビングスクール部門に成長が見込めない」という考えなら、ちょっと経営センスを疑ってしまいます。そういう大企業の経営者が日本の経済を縮こまらせ、それが人々の消費志向に水を差して悪循環を生み、不景気を長引かせているのだと思います。

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