先日、SONYがCyber-shot DSC-RX1を発表しました。フルサイズのCMOSセンサーと単焦点レンズを積み、市場推定価格が25万円という驚異的なコンパクトデジカメです。
発表以来、SONYがこのカメラで何を狙っているのかをずっと考えてきたのですが、ようやく一つの結論に至りました。「戦艦ヤマトを作りたかったのだろう」です。
そもそも単焦点なので用途はほぼスナップショット用かと。でも、それならもはやケータイで十分。むしろケータイの方がSNSにUPするのに有利です。DSC-RX1ではおそらくコンデジには考えられないほどの高画質、高精細の絵が撮れるのでしょうが、大半の人々は決してそれを求めてはいません。
第一、写真に高画質を求める人なら素直に一眼レフ機を買うわけです。光学ファインダも持たず、レンズも換えられないカメラに25万円もの大金を払う奇特な人は稀でしょう。
まあ、その点はSONYも重々承知のはずなので、たとえ使うのがもったいないほどであっても、スペック的に圧倒的な機種を投入して、社内外の士気を鼓舞したいのではないかと。この機種に限れば採算は度外視で。まさに戦艦ヤマトですね。ザクを圧倒するガンダム(戦局を一変させるほどの高性能機体)ではなく、ある意味お飾り的な…。
ただ、一個の商品としては、やはりピントが外れている気がしてならなりません。なぜなら、これが「いつかは欲しい」「お金に余裕があれば買いたい」と思わせる製品だとは到底考えられないので。もちろんべらぼうに高価なコンパクトデジカメがあってもいいけど、それは人々の憧れに成り得るものでなければならず、やるんならα、もしくはNEXにおける圧倒的な最上位機じゃないと。
順当な上位機種DSC-RX100だけでは飽き足らず、筋がよろしくないDSC-RX1までも出してきたことで、私は今後もSONYの迷走が続くような気がしてきました。