先日、馴染みのダイビングショップで私よりもさらに古いベテランダイバーの方と話をしていて、ウミウシについての話題になりました。「昔はウミウシなんて意識してなかったよな」と。ダイビング黎明期はもちろん、太古の昔からいたはずなんですがね。
ダイバーの間でもウミウシが注目されだしたのはここ10年ちょっとではないでしょうか。思い起こしてみると昔のダイビング雑誌にもウミウシの写真なんてものはほとんど載っていなかったような。ダイバーはそんな生きものがいることは知っていても、20世紀の内はヒトデやナマコ寄りの存在だったかと。
おそらく日本でウミウシが注目され、皆が好んで探し始めたのはウデフリツノザヤウミウシをピカチュウと呼び出した頃からかな。ポケモンのアニメが始まったのが1997年。ピカチュウの人気が広く浸透したのがその1〜2年後。うん、ウミウシブームはその頃からかもしれません。
また、その間にカメラがフィルムからデジカメに置き換わったことが大きい要素かも。かつての「Nikonos」「MoterMarin」「潜るんです」といった銀塩カメラ(レジャーダイバーの手が届く価格帯の)はマクロ撮影が不得手だった上(ワイドだって得意とは言い難かったったけど…)、1ダイブで最大36枚しか撮れなかったためウミウシにフィルムを割く人は少なかったはずです。
それがデジカメの時代になり、枚数の制限から解き放たれるとともに接写にも強くなりました。かつては一眼レフだけのものだったオートフォーカスも使えるようになりましたし。デジカメから始めたダイバーはそれが当たり前なわけだ。良い時代になったものです。