そこそこ古いダイバーの私には、かねてから「マブールはマクロ天国」という刷り込みがありました。今回利用したボルネオダイバーズ・マブールリゾートのサイトにもそのようなことが書かれています。実際、昨年カパライからマブールのFroggy Lair(カエルのねぐら)というポイントに潜りに来たときも、その名の通りカエルアンコウがたくさんいましたし。なのでそのことを微塵も疑っていなかったのですが、現実は違っていました…。
いや、今でもマブールがマクロ生物の宝庫であることには変わりないのでしょう。おそらく変わったのは客層の方です。2004年に自然保護の目的からシパダン島にあったリゾートが撤去されたため、以降シパダン目的のダイバーを近隣のリゾートが引き受けることになり、相対的にマブールを訪れるマクロ指向のダイバーの割合が薄まってしまったのだと。
それと近年増えてきた中国人ダイバーの存在も理由の一つかもしれません。彼らは何事にもダイナミックさを好む傾向があるように見受けられるので。今回、見かけた二人の中国人ダイバーが持っていた一眼水中カメラはドームポート付きの完全ワイド仕様でしたし、誰一人ウェットスーツは着ておらず全員がラッシュガードとサーフパンツ姿。つまり端から着底することは想定していないわけです。しかも彼らはボルネオダイバーズ・マブールリゾートのリピーターだそうですし。
そうして、たとえマブール島ステイであってもシパダンを希望するゲストが多いとなれば、ダイビングリゾートもそれに対応せざるをえませんよね。
また、現在シパダンへのダイバーの入島は1日あたり120人までに制限されています。各ダイビングリゾートは前日に当局に申請を出し、許可が下りれば割り当て人数の範囲内(一応)でダイビングスケジュールを組むわけです。
ボルネオダイバーズ・マブールリゾートへの割り当ての定員数がどれくらいかは解りませんが(少なくとも12人以上はあるようだった)、ゲストの収容数が最大でも60人程度(30室)でダイビングもせいぜい6チーム以内なので、100人超規模を収容可能なカパライリゾート(割り当てが1日20人までと読んだことがあります)などよりもパーミッションにありつく確率が高くなるのではないかと。
だとすると皮肉にもカパライ(もっともシパダンに近いリゾート)に泊まった方がマブールで潜る機会は多くなるのかもしれません。それって何なんだか。
ともかく、もし私が再度ボルネオダイバーズ・マブールリゾートを利用する機会があれば、あらかじめ「シパダンは1日だけにして。何ならシパダンなしでも良いよ」とリクエストしてみようと思います。うまい具合に連日シパダンに潜りたいような人とチェンジしてもらえるかもしれないので。