Mac App Storeが始まってから半月、誤発注でもキャンセルが利かず釈然としない思いをさせられた話を良く見聞きします。
たちが悪いのはAppleがMac App Storeにキャンセルの仕組みを用意しないことが彼らの立場を補強している点です。Appleにしてみれば「正規の注文と誤発注の見分けがつかない」と言い張れます。
ただし、キャンセルの仕組みを作ることは技術的には可能なはずです。今でもApple IDによるライセンス管理を行っているわけですし。ひとしきり使ってからキャンセルするという悪質なケースを防ぐため、「起動時間の総時間が120秒以内」といった制限(ダウンロード完了後に自動起動したアプリをすぐさま終了させた場合のみ有効)を設け、それ以内であれば、Mac App Storeのメニューから「キャンセル」を選ぶとキャンセル手続きができるような仕組みがいいでしょう。当然、手続き後は改めて買い直さない限り、そのアプリは正常起動しなくなります。
いや、もっと簡単な方法は下図のようにMac App Storeの状態を明示することかな。1クリック購入がONになっているときだけ赤バックのメッセージエリアが表示されるような。
単にこうしておいてくれれば注意が促されて誤発注もずいぶん減るでしょうし、仮に操作ミスをしてもユーザは納得するというものです。上述のようなキャンセルの仕組み提供はアプリとサーバ側の両方にそれなりの改変が必要ですが、これならアプリの少しの改良ですみます。
さて、どうやらAppleはキャンセルの要望、申し立てには黙殺を決め込む方針のようです。これを改めてもらうために我々個人ユーザができることは「有力メディアに対して、問題として取り立ててもらうよう働き掛ける」でしょうかね。外圧です。今なら飛ぶ鳥を落とす勢いのAppleへの批判を好むマスメディアは少なくないだろうと。
その場合の決め手は「アクセシビリティ」かな。世の中にはマウスポインタを正確に合わせてクリックすることが難しい人も大勢おられます。言い換えると「狙っていない場所をクリックしてしまうことが多々ある」となります。それはなにも身体障がい者だけの問題ではなく、パソコンに無縁だった高齢者にも当てはまる事象です。なのに「決済機能を持ったアプリが1クリック購入のON・OFFの設定もできず、無条件に1クリックが有効になる仕様は、あたかもユーザが誤操作することに期待してるようだ」と。
まあ、一つの嫌な出来事でアンチApple的なメンタリティになるのもよろしくないので、Appleには誠実さや課題をスマートに解決するさまを見せてもらいたいものです。