映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観てきました。映画館に行くと劇場スタッフがヤマトコスプレ。ハリーポッターなんかを見に来た人にヤマトも観とこうかと思わせる狙いでしょうか。Podcastによると公開初日はTBSの受け付けもそうだったらしいし、気合い入ってますね。
さて、作品の感想ですが、「まあ、わざわざ観なくても良かったかな…」です。あくまでも私の感想ですが。
例えば、古代進が木村拓哉でしかないと感じられること、CGのヤマトもパチンコのCMに見えてしまうこと。あとは、いかにも昔の作品のリメイクでストーリーの無理やり感が目立ってしまいます。
昔から思っていたのが、人類が宇宙に進出している2199年の未来にあって、クルー全員が日本人で固められている点は不自然すぎるだろうと。ひょっとして原作には「その頃、日本以外は壊滅」なんて設定があったりするのでしょうかね。
それに上映時間の都合でしょうが、往復30万光年の旅があっという間に終わってしまう点。スタートレックのヴォイジャーが7万光年を7年かかって帰ってきたのに…ってのは余談ですが、ヤマトのワープはスタートレックのそれよりもかなり高性能なのですね。あの船体に水や食料なんぞをどれほども詰めなさそうですし、推進や砲撃の燃料は何なのだろうと。あれほど強烈な波動砲の反動をどう逃がしているのかも不明です。ナンセンスなアラ探しですが。
それから何万光年も遠くのガミラスが、はるばる地球を攻略しに来るというのも…。こちらはもっと近くに適正惑星がなかったってことなのでしょうね。
あとは、どうしても私が直近に観ていたSF作品『BATTLESTAR GALACTICA』と比較してしまいます。空母機能を持った戦艦一隻と、いわゆる飛行機型の艦載機としての戦闘機という点が似ているので。そうすると情熱的で喧嘩っ早い森雪は奔放で快楽主義のエースパイロット・スターバックには及ばないなぁと。もっとも同じ「宇宙の旅モノ」のヴォイジャーやGALACTICAは連ドラであって複数年にわたり計何十時間も与えられていたわけで、その点は差し引かないと。
でもまあ、ヤマトには宇宙を横断する旅の壮大感はなくて、どちらかというと近所まで行って帰ってくる潜水艦ドラマみたいな雰囲気。そしてクライマックスはお決まりの死を覚悟した志願と特攻。事前に解っていたとは言え、原作のプロットを守る以上、こんな感じにしか作りようがなかったのかもしれません。
逆に良かった点。古代進がどうしても木村拓哉にしか見えないのとは逆に緒形直人の島大介は実にしっくりいってた感じがします。