まだ単なる噂、勝手な憶測の段階みたいですが、MicrosoftとAdobeの間で何らかの話し合いが持もたれたのは事実のようで。大した結論も出ないまま話が流れる可能性が一番高いのではないかと思いますが、買収ほど劇的な結論はなくとも、包括的な業務提携みたいな声明の発表にこぎ着けるぐらいのことはあるかもしれません。
実際、MicrosoftとAdobeには似た点もうかがえます。例えば、共にソフトウエア製品が肥大化しすぎて身動きが取れず、数年置きに小粒な機能追加とGUIを変更しただけのものを新バージョンといって売り出しているところなど…。
WindowsとCreative Suite、共に市場ではまだ堅調に支持されていますが、いつしか空気だか水だかのような「あって当たり前の存在」に祭り上げられ、両社のプレゼンスは低下するばかりの様にも見えます。その一方で、Appleは「もはやパソコン全盛の時代は終わり、スマートフォン、タブレット機の時代が来るんだ」というメッセージで人々を洗脳することに成功しつつあるようにも思えます。
そして厄介なことに、かつてのWindowsのポジションをGoogleのAndroidが占めるようになりました。この先パソコンよりも有望なカテゴリでトップ2の枠に入り損ねたMicrosoftが起死回生策を探しているのは間違いありません。
でもなぁ、Adobe CSの各製品群、Flash文化、PDF。どれを取り込んでみたところで、携帯デバイス向けの市場でGoogleを追い落とせるかは疑問です。FlashとSilverlightの一本化などということに意味があるものか。両者ともHTML5への注力は表明しているのですし。
ああ、両者が組めばMac版のOfficeとAdobe CSの販売を差し止めるという戦略的な方策は取れなくもないですが、時すでに遅し。Appleは軸足をiOS側に移していますし、ユーザから見てOfficeにしろAdobe CSにしろ現行バージョンのままでも、おそらく支障は出ないのですよね。
Micorosftは純粋にOSの出来栄えを地道にアピールしていくしかないように思います。Adobeは昨今のその雑な製品展開を改めないことには、やはり既存ユーザから見放され兼ねない(多くが申し合わせたかのようにアップグレードを控える)のではないかと。