昨日、行きつけのスポーツクラブ内のダイビングショップに顔を出したところ、馴染みのメンバーの一人が来ていて、スタッフに「通算150本以上の人限定のダイビングツアーを作ってくれ」と頼んでいるところでした。ちなみに150という半端な数は彼がそのくらいだからという理由らしいです。200で区切られると自身も参加できなくなるそうで。
確かにそうリクエストしたい気持ちは解らなくもないです。スクール主体のその都市型ショップが開催するツアーはどうしてもビギナーとシニアに向けたものになりがちなので、私も何かしら理由(仲が良かったスタッフのお別れツアーとか…)がなければ参加しませんし。
そして彼曰く「ある程度の経験を積んだ人だけでツアーを組めばもっとダイナミックな海にも行かれるし、サポートも要らないので同行するスタッフも楽なはずでしょう?」とのこと。確かにその通りかもしれません。
加えて「ビギナー&シニアばかりにフォーカスするのではなく、経験者にもケアを振り向けた方がビジネスとして有益なのでは?」と。こちらはどうでしょうかね。こなれた経験者とこれから機材を買いそろえたりスペシャリティコースにも挑まんというルーキーとでは断然客単価が違いますし、その大手のショップは何よりも「より多くのダイバーを世に送り出すこと」を使命と考えているようにも見えます。業界を見渡すと、スリムな経営でリーズナブルなショップやスパルタ指向でマニアックなショップがある一方で、お高いなりの敷居の低さと手厚いサポートで差別化するショップにも意義があろうと。
で、何のことはない、条件付きツアーを頼むくらいなら、仲間内で誘いあって思い思いの海に行く方が早いですよね。ショップスタッフと一緒には行かれないにしても、それはツアーが組まれなかったときも同じことです。世の中には「一見さん大歓迎!」的なダイビングツアーはたくさんある(と言うか大半がそうなのでは?)わけですし、交通手段・宿・ダイビングサービスをバラで組み合わせれば少々割高でも選択肢は無限です。たとえ一人で申し込んでも、どこのダイビングサービスも良くしてくれます。わざわざ同行スタッフの費用を上乗せしてまでツアーを敢行しなくても。
と言うか、放っておいてもいいベテランに過大なリソースを割いていないからこそ、ビギナー&シニアに対して十分なケアが出来ているのだという考え方も成り立ちますよね。彼らにしてみれば「我々が提供する万人向けの定食に満足できないときは、どうぞお好みのレストランに行って食べてください」ってな感じではないでしょうか。食べ物の世界とは違って大手のチェーン店の方がお値段が張ったりしますが…。
古顔の彼が今現在どのような状況にあるのかはよく知りませんが、要は「その気(自分が行きたいところに行く)があるか?」、そして「誘いに乗ってくれる友人なり仲間がいるか?」「誰かから誘ってもらえているか?」ってことなんでしょう。まあ、時が経つにつれ、かつての仲間が家庭の事情やらで足が遠のき疎遠になるというのは世の常ですが…。
ちなみに私は最近は仲間と連れ立ってどこかに行くことが多いものの、ある特定の季節にだけは、なるべく一人で行きたいと思っている海とショップがあったりもします。