今日、某ダイビング機材販売店に出向いたらNauticamのハウジングの新製品Kiss X4/550Dが展示されていました。対応カメラが小振りのCanon EOS Kiss X4なため、隣に置いてあったNauticam D300よりも一回りコンパクトに仕上がっていますね。実は私はこのハウジングの実物を見ることを心待ちにしていました。
NauticamはNOKIAのケータイの金型などを作るメーカーの香港人オーナー、エドワード・レイ氏が昨年設立した会社です。エドワードさんは自らも水中写真を撮る上、「ハウジングおたく」でもあるらしく、そのためボディーのフォルムはモダンで非常に洗練されており、随所に斬新なアイディアが盛り込まれています。
例えばレンズポートの接合。他社製のようにポートをねじ込むのではなく、レバー方式が採用されています。赤いレバーの先っぽのボタンを押し込んだ状態でレバーを引くと、レンズポートが外れる仕組みです。このためハウジングにカメラをセットしたままでもレンズの交換が容易とのこと。
しかも、このレバー方式はフロントパネルとリアパネルを接合する機構にも採用されています。リアパネル左右(右写真の白丸内)のレバーを引くと、パネルが外れるわけです。
バチン錠の操作にはけっこう力が要ったりしますが、このレバー方式はとても楽ですね。バチン錠の方がガッチリ締め込めるイメージがあるものの、つまる所、前後のパネルをピタッと接合して密封できさえすればいいわけですから、これで十分でしょう。
他にも、ほとんどの撮影操作をグリップを握ったまま行えるように工夫してあったり、テクニカルダイブにも対応すべく100m耐圧であったり。加えて、ダイヤルを回して視度を補正できるスーパービューファインダーや、他社製レンズポートを流用するためのポートコンバータ類がオプションとして用意されています。
ただし日本製ではないので気になるのが保守。店長に確認してみたのですが、Fisheyeが万全の体制でサポートしてくれるそうです。
お値段は約270,000円(ボディのみ)と少々お高めですが、水の浸入を知らせるリークセンサーや各種アクセサリを接続できるグリップが標準で付いてきますので、値が張るなりにお買い得と言えるのではないでしょうか。
なお、現在は円高なのでこの販売価格ですが、為替が円安に振れれば値上がりするかもしれないとのこと。先日も原材料の高騰につき同社の既存製品が値上げされました。さすがにある日突然値上げということはないでしょうが、購入を考えている人は早めに決断した方が良いかも知れません。
さて、私はと言うと、発売予定がアナウンスされているNauticam製SONY αNEX-5用ハウジングを待ってみようと思っています。「レンズ交換式コンパクトデジカメ」といったコンセプトのカメラに対してどのようなハウジングを出してくるのかは見物です。7月8月発売予定らしいのですが、どうにもルーズな感じなので実物を見られるのは月末か9月でしょうかね。